箔彩 加飾作業
扇子に彩りをつけていく
5月の発売を目処に作業に入った扇子の加飾作業が終わり、造形の部分となる折の作業に渡りました。
この箔彩の難しい所は箔と紙を接着している膠の具合と独特の形状をした紙の扱いです。
膠は温度に敏感で、夏場など気温が高い時期に扱うと締まりが悪く良い発色が得れません。
うちの業界では膠がわくと言われる状態になってしまいます。
なので気温が上がりきる前のこの時期に作業をしておかないと思うようなものが作れない可能性がありました。
また膠の濃さや湿り具合など言葉で表しにくい体感で覚えている部分が多いため、なかなかデジタルな作業に置き換えるのが難しい工芸的な面が強く出た商品になります。
ハキと言われる膠を引いた紙をちょうど良い具合に湿らせその上から箔の粉をハケで擦り付けていく作業がベースになっています。
千切箔や砂子、色の違う箔を使うので一つとして同じ所に同じ箔が配された物が出来ないのが特徴で、人の手で表現する素材感が感じてもらえるのでは無いかと思います。
どちらの色合いも箔の素材感が感じられデザイン面で和装、洋装問わず持ってもらえる京都の扇子として育っていけば嬉しいなと思います。
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