扇子を持つのに正しい大きさ、形はあるのか。
扇子を持つのに正しい大きさはあるの?
いざ扇子を買ってみようと思ったらどの大きさ、形にしたら良いか分からない。
実は決まりがあってこれを持っていたり、贈り物にすると分かってない人と思われるんじゃないか。
そんな不安を抱かれる方に扇子についての決まりを紹介します。
結論から言うと普段持ち歩く扇子について大きさ、形の決まりは一切ありません。
歴史的にも時代の流れの中でサイズや色味などはその時代、時代のトレンドで変わっていますのであまり気になされずファッション小物として気に入った物を送る、身につける事をオススメしています。
今回は何故、男性用、女性用など決まりがある雰囲気になっている中で決まりは無いと言えるのか傾向をご紹介します。
作り手の慣習
これは扇子を作る時に使われる扇骨、図案などに作り手側の都合が反映されている場合が多いと言う事です。
この柄、この色合いは女性用、シンプルなのは男性用など慣習でアウトプットされた物が多く、それが伝統っぽさを出している部分でもあり、それを扇子らしさと捉え、好む方もおられます。
扇子の製作工程は、テクノロジーの発達による細かいアップデートはありますが、基本は高度経済成長期からあまり変わっていません。
値段の相場感を保つ意味でも、この時代に作られた型を基本にサイズ、形などがそのまま使われています。
この時代の常識もそれ以前の和装を中心とした時代の常識に従いながら少しづつ用途の変化に応じながら成長し、それが伝統となっています。
ネットなどでの古い常識の発信
ここからはネットなどでも発信されている事が多いので見た事のある方もおられるかとおもいますが、男性用の扇子は、7.5寸(23cm程度)、女性用の扇子は6.5寸(21cm程度)とされているのをよく見かけますし、扇子屋さんにいってもそのようなカテゴリー分がなされています。
これは、昔の扇子の持ち運び方法や生活習慣、体型などに由来があったりします。
昔は扇子をカバンに入れて持ち歩くのではなく、帯に差して使っていました。
帯の面積、身長などその当時の綺麗なバランスがこの6.5寸と7.5寸という大きさに影響を与えている部分もあり、現在の使用感とは違う常識で作られた寸法と言えます。
帯に差して持ち歩くのではなく、カバンの中、ポケットなどにしまって持ち歩く事が主流の現代では大きさ、形、骨の数全てにおいて、どの部分に実用性を感じ、どこに美意識を求めるのかその人その人の好みで選ぶしかなくなっています。
今は性別、人種などの区分けがフリーになって多様性が求められる時代に突入し、作り手側も意識が変わってきていますし、カッコいい物を身につけたい女性、かわいさを取り入れたい男性もたくさんおられます。
女性用の方でも1、2cmの大きさの差で風量が違うので7.5寸をお求めになられる方も多いですし、持ち運びの都合や小さめの物を好んで6.5寸を選ばれる男性も増えています。
過去の慣例に囚われずに良いと思った物を素直に身につけられる事をオススメします。
決まった型のある扇子
ここからは決まった形がある扇子をご紹介します。
この辺りのイメージが、普段使いにも決まりがある印象を与えている部分もあるかとおもいますのでザックリとですが、主な物を紹介しておきます。
その特徴の共通点としては、仰いで涼をとる目的で使われている物ではないということです。
逆に言えば仰ぐために用いる扇子には本来何の決まりもないということにもなります。
舞扇子、仕舞扇、中啓
舞台で使う、飾りで使う 一尺ほどで流派や演目など踊り手の状況で使い分けがされる。
茶席扇子
お茶席で使う、基本的には無理に合わせなくてもよいが公式には5寸、6寸、6.5寸、骨の色など一応の決まりがあるので先生に従事する。
自分と相手の間に境界となる段差を作りそこから謙る事で相手への敬意を表すのに使う。
祝儀扇
主に慶事、公式の場での和装で使う。
結婚式の和装などで新婦が金銀、新郎が白扇など過去の習わしからマナーとされている扇の使い方。
公式の場にて、茶道と同じような使い方をする。
詳しくは和装のマナーをご参照下さい。
まとめ
普段使いの扇子に大きさや使い方などの固い決まり事はなく、ファッションアイテムとして気に入った柄、サイズ、形を選ぶと良い。
使い方に一応の決まり事があるタイプの扇子は仰いで涼をとる目的で使用されるものではない。
いかがだったでしょうか?
ネットで扇子を探す場合、この辺りの事はなかなか触れられず良いものが見つかってもなかなか買うことが出来ない事もあるかと思います。
もちろん現物を見てお店で売り手とコミュニケーションを取りながら購入するのが一番確実な方法ですが、この知識を持っていれば少なくとも一つ不安要素は減ると思います。
気に入った物があれば積極的に買ってファッションに取り入れてみて下さい。