京扇子|金彩扇子作家米原康人 京もの認定工芸士である金彩扇子作家「米原康人」が、印刷では表現が難しい扇子本来の美しさ、格好良さを追求したオリジナル扇子を制作・販売しています。箔、紙、骨、扇面加工、折り、付け、全て伝統工芸技術で仕上げた上質なハンドメイド。普段から愛用されている方、馴染みのない方もお使い頂けるよう豊富なラインナップをご用意しています。

河村氏による能講座

初心者にも分かりやすい能

 

先日、所属する異業種交流団体の美月会の定例会にて河村能舞台で能楽おもしろ講座をされておられる河村純子さんを講師に迎え研修を行いました。

 

 

この日は経営者の集まりということもあり、この事業を始めるきっかけや苦労、能から学んだことなどを中心にお話頂きました。

 

普段の能楽おもしろ講座は、修学旅行や研修を中心に行われており、より能楽の体験ができたり能についてのお話が割合を占めるようですが、今回は時間も限られていたので聞き手のニーズにも合わせた分かりやすい話をして下さいました。

 

このコロナ渦で観光事業は壊滅的な打撃を受けているのですが、失った物よりもなんとかしようとして手に入れたものが大事と前向きに生きておられる姿勢が印象的で、この歳でYouTubeを始めるとは思わなかったと笑っておられた姿にすごくエネルギーを感じました。

 

今回のお話の中で能の面についてのお話や歴史的な背景のお話、舞う時の力の入れ方、神経の使い方のお話とご自分では素人に毛が生えた程度のものと仰っておりましたが、本当の素人の私たちにはちょうど聞きやすい感じにお話ししてくださる辺りとても真面目に取り組んでおられるプロフェッショナルだなと感じました。

 

その中で、彼女がビジネスチャンスとして目をつけた能のお客さんへのアプローチ、そしてこれからを担う若手の能楽師の待遇という部分は現代の社会システムからかけ離れた斜陽産業となっている要因を感じました。

 

職人の世界もよく似たもので、この仕組みに耐えて一理あったなと思う部分もあるけどこれは今の教育や社会を見ている若者に理解して貰えるものではないし、だからといって一般企業のようにしっかりとした待遇で受け入れることも経済的にも物理的にも難しいというジレンマを抱え、後継者不足にあえいている現状があります。

 

時代に合わせて変化する能力が伝統というしがらみに囚われ衰えているという部分に同じ匂いを感じました。

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