世界へ届ける日本人の手土産
敬意を表す贈り物
ドバイへ会合に行かれる方から手土産に渡す扇子をオーダー頂きました。
お渡しする相手はドバイの王族関係の方で高貴な身分なようで、日本のことがとても好きな方だと言う情報を頂き、製作に入らせて頂きました。
あまり難しく考えるとなかなか進められないので敬意と和心を落とし込める様に図案化していきました。
まずベースになる色は日本では高貴な色とされている紫を使うことに。
発色や光の当たり具合で見栄えを良くするため砂子と粉砕した箔を混ぜて作りました。
メインとなる柄には庭園の石の使い方をイメージした配置や枯山水の水をイメージさせる感覚を参考に、本金箔、銀粉を使い仕上げました。
最後は骨と扇面の相性を見るのですが、贈答品としてパッケージする事もあり宮脇賣扇庵さんに相談に乗ってもらい、親骨が黒く、中骨が焼きの物をつけました。
この扇子の形は、中国からシルクロードを渡っていきヨーロッパの王族文化や、スペインのフラメンゴなどと発展してきた絹扇子の形で、京都の扇子としては逆輸入的な型ですが、常に異文化と溶け合い独自の形を作ってきた日本文化らしさを表現するのと、扇子として扇面が派手になりすぎないよう、骨の面積の大きいこの形に仕立てました。
お客様にも、先方様にもとても喜んで頂けて気持ちの良いお仕事となりました。