伝統工芸京扇子|金彩扇子作家米原康人 京もの認定工芸士である金彩扇子作家「米原康人」が、印刷では表現が難しい扇子本来の美しさ、格好良さを追求したオリジナル扇子を制作・販売しています。箔、紙、骨、扇面加工、折り、付け、全て伝統工芸技術で仕上げた上質なハンドメイド。普段から愛用されている方、馴染みのない方もお使い頂けるよう豊富なラインナップをご用意しています。

京扇子 箔押し

京扇子の箔押しという仕事

京扇子の箔押しは、漆やウレタンではなく、基本的には膠や糊で行います。

 

作業内容やその後の工程で何が行われるかで水性の合成樹脂系の接着剤を使う事もあります。

 

 

なぜかというと、箔加工の後に上絵が入ったり、扇子の形にする為に湿らしたり、折り曲げたりする工程があるからです。

なので、水性である程度の衝撃に耐えうる柔軟性と強度を持った接着剤を使うのが適しているとされています。

 

漆やウレタンはつよいのですが、表面がしっかりと固まってしまい、折る時に割れてしまうし上絵も日本画の材料では弾かれてしまいます。

 

上から絵が入る前提なので、下地もそれに合わせた素材を使う事になります。

 

表現しているもの

京都で箔を使った表現が発達したのは、やはり江戸時代まで日本の中心が京都にあった事と関係が深いです。

 

特に文化的に大きな意味を持っている表現は3種類になるのかなと思います。

 

一つは、富や権力の象徴。豪華絢爛な時の権力者が集まる都ならではの使い方です。

これは今もお金持ちイコール金というイメージが広く浸透しているので生きた表現と言えるのでは無いかと思います。

 

あとの二つは文化の中心でもあった京都らしい表現となります。

 

二つ目は、この世ならざるものを表す表現。

これは神道や仏教による神や仏の住むこの世では無い世界や死後の世界という観念に金が持つ神々しさがハマりその象徴として扱われました。

箔押し 扇子 京扇子

 

この表現は現代の建築物や日用品に用いられる事はほとんど無くなっていますが、今もお寺や神社など祈りの場にそのような表現が施されて日本人の中に、古来の日本らしい表現として息づいています。

 

そしてもう一つは、二つ目の仏や神の世界と関係が深く、その発展的な考え方から生まれたと言えます。

無常観を基にした美意識の表現です。

 

これは人はどのように生きるのか、この世とは何なのかなど仏教がもたらした観念の中で宮中の文学から連歌や芸事などに伝わった大和心で、華やかさの中に切なさ、儚さを孕んだエモーショナルな表現を視覚化したものです。

 

この表現は禅とも繋がりがあり、侘び寂び、もののあはれ、幽玄などという言葉で表現される日本人の美意識となり、今ではさらに発展して、無駄を省いた機能美の表現として世界でも広く使われるデザインの元となっています。

 

それぞれかなり年季の入った表現ですが、今を生きる人にも直接では無いにしろ影響を与えている心を表しています。

 

これらの意味を知るだけでも少し生きると言うことが豊かになるかも知れませんね。

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