伝統工芸京扇子|金彩扇子作家米原康人 京もの認定工芸士である金彩扇子作家「米原康人」が、印刷では表現が難しい扇子本来の美しさ、格好良さを追求したオリジナル扇子を制作・販売しています。箔、紙、骨、扇面加工、折り、付け、全て伝統工芸技術で仕上げた上質なハンドメイド。普段から愛用されている方、馴染みのない方もお使い頂けるよう豊富なラインナップをご用意しています。

京扇子とは

京扇子の定義

 

「京扇子」という言葉は、扇面、扇骨、仕上げ加工すべてを京都および京都近郊の職人で作られた扇子のことを指します。また京都扇子団扇商工共同組合が有する商標で、その組合員だけが使うことができます。

 

これが文字にしたときに定義される京扇子です。

 

これは、昭和の時代、扇子の生産のほとんどを担っていた京都の扇子を当時安い労働力として中国で大量生産された物と差別化しブランドを確立させるためにたてられた定義でもありました。

この当時、中国で生産された物と京都の物では、品質に大きな差があり、このブランド力を保証するのにとても分かりやすい定義だったのではないかと思います。

 

それから時代は平成、令和と流れるうちに様々なテクノロジーの進化や中国の技術の成熟による低価格品の品質向上と、日本産の材料の質、量の低下によってその差はつまり、細部のこだわりを説明することでしか違いを分かってもらえないほどになってきています。

 

そんな中でも京扇子の魅力、特徴といえる部分はなにかを説明してみようと思います。

 

 

文化的特徴

 

京扇子が今の時代まで工芸品としての地位を保っているのは日本文化を伝える伝統芸能や仏事、祭事の中で必要な小道具として取り込まれている事が大きく関わっています。

 

茶道や舞踊、能、狂言など室町期から続く芸能が未だ京都に重きを置き活動していたり、大きなお寺や神社、お祭りがあったり。そのお膝元でモノづくりをしていること。

 

それは、それらの芸能や仏事、神事が現代まで伝える日本人とは何を美しいと感じてきたか、何を考え生きて来たのかを表現する一端を担っているということです。

 

つまり、日本に息づく東洋的美徳、「もののあはれ」、「幽玄」、「侘び寂び」などと言われるエモーショナルな感覚や生きる知恵、祈りを人の手で表現することに長けた産地という事ができると思います。

 

京都らしい扇子が欲しいとお考えの方は是非この辺りを感じるかどうかを参考にしてみてもらえればと思います。

 

 

生産体制の特徴

 

扇子は、出来上がるまでに87工程、職人の手を通ると言われるほど細かな作業が繰り返されます。

竹でできた扇骨、和紙に加飾を施した扇面。独特の形状の折り目をつけ、骨と紙を一つのものとする。

それぞれ専門の職人が分業で作業していくのが京扇子の伝統的な作り方です。

 

これは扇子の国内生産量の90パーセント以上を担っていた京都が数をこなす為に組まれた生産ラインですが、今でもそれぞれ専門の分野のプロフェッショナルとしての知識、技術を持った職人が、連携することにより、材料やテクノロジーの進化に対応しながら伝統工芸としての品質を守っています。

 

またそれぞれ特化した特徴、技術があるため、独特の素材感や組み合わせを使った個性的な顔を持った扇子が作れるのも魅力です。

 

扇子のカタチ

 

扇子は日本で、木簡を一点で束ねたものが出来たところが発祥という説が有力ですが、それが、大陸、中国に渡ってから様々な進化を遂げていきます。

簡単に言うと、シルクロードを渡りヨーロッパで西洋文化を取り入れ発展したのが絹扇子。

紙を貼り日本に逆輸入され東洋的文化を取り入れながら発展していったのが紙扇子です。

 

戦後、スペイン扇子の下請けをすることで、絹扇子の技術も広まりましたが、京都が持つ技術、文化は紙を加工することに長けた背景をもっています。

日本らしさを求める場合は、紙の扇子を持つのが妥当なチョイスになると言えそうです。

 

また、扇子のカタチについては、江戸扇子と京扇子について聞かれることもあります。

 

これについては、江戸扇子は骨の間数が少なく、京都が多いと言われる事もありますが、前記したように国内生産量の90%もの扇子を扱っていた産地なので京扇子は大抵のカタチに対応しており、骨の間数が特徴と言うのは妥当ではないと考えます。

 

現実的な違いは生産工程で、京都はそれぞれ専門分野の職人が何人も関わり一本の扇子をつくる分業、江戸は一貫制作という点で外見に現れるというよりは通ってきた過程が違うというのが正しいのではないでしょうか。

 

 

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