京扇子|金彩扇子作家米原康人 京もの認定工芸士である金彩扇子作家「米原康人」が、印刷では表現が難しい扇子本来の美しさ、格好良さを追求したオリジナル扇子を制作・販売しています。箔、紙、骨、扇面加工、折り、付け、全て伝統工芸技術で仕上げた上質なハンドメイド。普段から愛用されている方、馴染みのない方もお使い頂けるよう豊富なラインナップをご用意しています。

茶席扇子

茶道の作法に欠かせない道具

茶席扇子は、お茶席に欠かすことのできない道具です。

理由は、その作法に組み込まれているからです。

 

最初に茶室に入る時や、そのあとに正客に挨拶するとき、
また道具を拝見するときなどには、ひざの前に扇子を置いて挨拶や拝見をします。

 

なぜいちいちそんなことをするかというと、相手を敬う気持ちを表すためとされています。

 

扇子を相手と間おいて、段を作り、一段下にへりくだった所から挨拶をすることで相手への敬意を示します。

 

この状態を結界を作ると言いい、この結界を超えて相手のほうへ距離を近づけないと言う意味もあるようです。

 

そして一連の作法の中で扇を開いて使うことは無く、その存在に意味がある道具となっています。

 

茶席扇子

 

古くから茶席で用いられた扇子

茶席で用いられる扇子の歴史は古く、元々は特別にお茶席用に扇子が仕立てられていたわけではありません。

 

現在、どの流派によって目安となる大きさや形態は存在しますが、ざっくりした茶席扇子の形態の変遷を追うと、特に決まりがあった訳ではなく、その時の先生のこだわりや好みが大きく左右しているように思われます。

 

 

形の変遷

 

分かりやすい歴史としてまず武家の作法があり、大河ドラマなどでもお馴染みの目上の人に対して一段下に座り帯刀している刀を前に置いて頭を下げるシーンがあります。

 

あれが当時の経緯の表し方です。

しかしお茶席では帯刀は許されず、違う物で代用しなければなりませんでした。

 

それが扇子。

 

当時の貴族、武家の身なりに扇子は必需品で刀と共に帯にさしてありました。

 

この風習は廃刀令が出た後も日本人の中に残り武士が刀で行なっていた作法を扇子で代用する事があったようです。

 

当時の使われていた扇子の大きさは今の舞扇子などで使われるくらいの大きさで一尺ほどありました。

 

つまりありものを使っていたということです。

 

ではいつからいまのサイズ感になったかと言うと、日本人が洋服を着る事が多くなり、常に帯をしなくなってからです。

 

その当時の扇子屋さんと茶道の先生たちが敬意を表す作法として必要な道具だからカバンに入る持ち歩きやすいサイズの方がいいんじゃないかとなって、今のサイズ感に落ち着いたという流れのようです。

(ここは口伝なので諸説あると思いますが。)

 

どのような扇子を持てば良いのか

どの茶席扇子を持てばいいか分からないという方は、本質としては最初に述べたように結界をつくり相手への敬意を表すための道具なので大きさや種類は大きな問題ではないのではないかと思います。

 

ただ、相手への思いやりが基本の芸事なので、師事している先生がこだわりがあるのであればそれに従うのもまた敬意なので先生に聞くのが一番です。

 

お茶席の初歩的な在り方は、招き入れる側は相手をもてなし、招かれる側は、その場を楽しむことだと思います。

 

自分が気に入ったものを身につけてその場を良い気持ちで過ごすのが自分なりの茶道を見つけることに繋がるのではないでしょうか。

 

コメントは受け付けていません。