京扇子|金彩扇子作家米原康人 京もの認定工芸士である金彩扇子作家「米原康人」が、印刷では表現が難しい扇子本来の美しさ、格好良さを追求したオリジナル扇子を制作・販売しています。箔、紙、骨、扇面加工、折り、付け、全て伝統工芸技術で仕上げた上質なハンドメイド。普段から愛用されている方、馴染みのない方もお使い頂けるよう豊富なラインナップをご用意しています。

伝統的にカスタマイズして使う扇子の箔押しに使う道具。

扇子の箔押しに使う道具たち

 

扇子の箔押しに使う為の道具は沢山の種類がありますが、ほとんどの道具はその作業に特化するように自分達でカスタマイズしていく物です。

 

先代、古くは先先代から引き継ぎ手直ししながら使い続けている道具も多く、それらは年季が入って綺麗とは言えませんが唯一無二の存在として魂が宿って来ているのではないかと思います。

 

年末年始の休みを頂くので、全ての道具を元ある場所に戻し休んでもらうついでに一部紹介してみようと思います。

 

網を張った筒

 

これは砂子や小石、野毛を振るときに使います。

 

出したい箔の大きさで張る網を変えたり、大小様々な面積に対応するため様々な種類、大きさの物ができます。

 

 

茶筅の先に棒を差し込んだオリジナルの道具を使って、網の上から回す事で網目の荒さの砂子を出す事が出来ます。

 

他の工芸では筆で行われる事が多いのですが、扇子の場合は散らすだけでなく降り詰めたりするので、間に合わない時があり、より多くの砂子を落とす事に特化したオリジナル道具をつかっています。

 

箔箸

 

薄く、軽い箔を扱う為の竹の箸です。

ノーマルな箔箸は、先が丸く力が作用する点が広いのですが、扇子の箔押しは箔を綺麗に千切る作業が出来る様に力の作用する点をなるべく小さくして使っています。

 

 

先を削る作業は、箸の作用点の元あるバランスを崩してしまう可能性もはらんでいるのですが、先にのりや膠が付着してしまった際もサンドペーパーで新しい面を出す事もあるのでそこまで特殊な作業ではないと思います。

 

 

刷毛

 

刷毛は色々な用途によって使い分けます。

 

 

接着剤に使うのりや膠などを扇面に引く為の刷毛。

 

箔を押した後に余った部分を払ったり、砂子の場外に散った物を集めたりする刷毛。

 

それぞれによって刷毛の毛先の硬さ、長さ、毛の種類が違い保有数が多くなります。

 

 

他にも色々な道具を使って仕事が成立しているのですが今回は代表的な三つを紹介しました。

古典的な道具ですが、結局使い勝手の良い手に馴染む物が良いモノづくりには不可欠ですね。

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