京扇子の無地の箔押し
舞、飾り、茶道。扇子文化を支える金地の紙。
様々な伝統的芸事などで使われる金色の扇子。
その下地となる金地の紙を作くります。
無地押しという作業で、全面に箔をつけていくのですが、ただ置いていくのではなく、無駄のないように箔を使うのが特徴です。
扇子の全面を金にする技法はいくつかありますが、この方法は一番古くから使われている技法です。
中金箔という銀を硫黄を使って金色に焼いた箔を使うことで、金色ながらギラギラ感を抑えた上品さが出て、箔を並べた跡の「箔あし」が伝統技法のアイデンティティを付け加えます。
伝統芸能で使う茶扇や舞扇、飾り扇の御所車の絵が入ったものなどで使われる事が多く、一般的に使われる夏扇では馴染みのない物ですが、伝統工芸として指定されている京都の扇子作りらしい技術です。
金彩扇子作家 米原康人 拝