京都の扇子は何故、高級なのか。
扇子というプロダクト
扇子は現代、夏の小物として涼を取るアイテムの一つになっていて、100円均一や雑貨屋、ノベルティーなどでも扇子を手に入ることが出来ます。
記念品や、100円均一など安価な予算で手に入れることも可能な中、京都でつくられる扇子は高価な部類の商品となります。
産地としてのブランド
京都の扇子が高級になる要因の中に、良いものを作るためのシステムとその表現方法があります。
京都の扇子の制作過程の大きな特徴は分業制という事です。
これは一昔前、扇子の生産量の90パーセント以上を担っていた京都が数をこなす為に組まれた生産ラインですが、今でもそれぞれ専門の分野のプロフェッショナルとしての知識、技術を持った職人が、連携することにより、材料やテクノロジーの進化に対応しながら伝統工芸としての品質を守っています。
アイデンティティの表現方法
芸事、神事、仏事、祭事などで使われ、「本物」である事を常に求められて来た京都の扇子づくりは、いつの時代も様々なテクノロジーの進化との兼ね合いを経て、最終的に人の手で微調整や仕上げをおこなうことによって、ユーザーの要望に応えて来ました。
そんな下地を持つ扇子の顔となる扇面の加工はやはり、本物と納得してもらえるものでないといけません。
現代では、大量印刷で仕上げることで比較的安価な物を作ることも出来ますがわざわざ京都の扇子をお買い求め頂くお客様に、それで納得してもらえるのかと言うと疑問が残ります。
そこで扇面の作家として、扇子に仕立てる手仕事の技術に相応しいアイデンティティを感じることができ、現代にプロダクトとして持ちたいと思える表現を目指しものづくりを行なっています。