京扇子|金彩扇子作家米原康人 京もの認定工芸士である金彩扇子作家「米原康人」が、印刷では表現が難しい扇子本来の美しさ、格好良さを追求したオリジナル扇子を制作・販売しています。箔、紙、骨、扇面加工、折り、付け、全て伝統工芸技術で仕上げた上質なハンドメイド。普段から愛用されている方、馴染みのない方もお使い頂けるよう豊富なラインナップをご用意しています。

オンライン購入に必須!扇子選びのポイントを解説

扇子を実店舗で買い求める場合、実際触わることで、手馴染み開閉や風の具合などを確認できたり、専門店の場合は説明やレクチャーも受けながら選ぶ事ができ、違和感なく使用し始める事ができます。

 

 

しかしオンラインの買い物の場合、現物を見て、触って確認する事が出来ないので良い物に出会うためには実店舗での買い物よりも扇子に対するある程度の知識や経験が必要になってきます。

 

この記事では、ネット上で扇子を探すシーンで、ぱっと感覚的に判断できる写真での好き嫌い以外のディテールに関する基本情報の読み方について触れて行きたいと思います。

 

扇子に詳しい方には不要な知識かも知れませんが、あまり扇子に触れる機会がない方が一度買ってみようと考えておられる場合、この内容を参考にオンラインで扇子をお買い求め頂くとポチった後商品到着後イメージとのギャップであれっと思う確率がグッと下がるのではないかと思います。

 

素材による扇子の種類と特徴

 

夏場に涼をとる夏扇子には大別すると2つの種類に分けることができます。それは扇面素材が布製であるか紙製であるかという点です。どちらの素材もそれぞれ特徴があるのでご紹介します。

 

紙扇子の特徴

日本の伝統的な和紙が張り合わされた扇子。

歴史も長く美術的背景も持ち合わせているので上絵が乗る事が多い

普段使いで使いやすい無地物や総柄は日本的な色使いから印刷によるビビットなカラーリングなどデザインも多様。

機能的には、繊維が細かく穴がないため空気を捉える事ができしっかりとした風量が期待できる。

 

絹扇子の特徴

扇子が日本から交易により中国、ヨーロッパに渡った際、絹で仕立てられるようになりヨーロッパの王宮文化やスペインのフラメンコなど風土に溶け込んで行った。素材感が布なので洋服と馴染みやすくテキスタイルデザインは豊富でカジュアルな装いにも合わせやすい。

機能的には、繊維の目が空気を通すため弱めの柔らかな風量が期待出来る。

 

それぞれの耐久性

 

扇子の素材は、外観だけでなく耐久性にも影響します。素材とその特徴を知っておくことが大切です。

 

紙扇子の耐性

 

薄い数枚の和紙を貼り合わせて作ってある物がほとんどで繊細なイメージの割に強度が高いです。特に京扇子など両面の和紙の間に骨が入った物は長く付き合いやすい商品となっています。

弱点としては水分に弱く、湿気でハリを失ったり水濡れで柄が飛んだり破れたりする所や紙の上から上絵加工を施しているため、使い込みにより折り畳みの凸部分がスレて上絵層が禿げてくる事がある所となります。

 

絹扇子の耐性

 

衝撃への柔軟性があり紙扇子のように特に天敵がある訳でもないし生地繊維なのでスレて折り畳みの凸部分の柄が禿げてしまう事もあまりありません。

しかし扇子は折り畳む性質上、かなり薄い布しか使えないので外からドウサで補強はするもののその強度は思われているほど強くはありません。

特に負荷のかかる親骨との接地点は長く使うとよく破れてくる所で注意が必要です。

 

扇子の選び方のポイント

 

扇子を選ぶ際に重要なポイントはいくつかありますが、その中でも意外と文字や写真から情報を読み取りにくいサイズの読み方とデザインについて解説致したます。

 

サイズの読み方

 

一般的に普段使いする扇子のサイズは6.5寸〜8寸と表記されている物となります。

昔から女性向けは6.5寸、男性向けは7.5寸がデフォルトで作られてきましたが、現在は男性でも小さめのカバンを愛用されている方は6.5寸を好まれたり、女性でもひと仰ぎで大きな風が欲しい方は7.5寸や8寸を好まれるなど男女でサイズや形が決まっているというよりは、用途や好みのデザインかどうかという点がサイズ選びのスタンダードとなってきています。

 

因みに一寸が約3cmくらいなので7.5寸の扇子だと約23cm、6.5寸だと約21cmの高さとなります。

数字にすると僅かな差ですが、風量などの使用感や小さめのカバンへの収納感は意外と差が出るので好みは分かれます。

 

 

デザイン

 

写真で一目瞭然な扇面の柄はお好みで選んで頂ければ問題無いと思います。

ここでは気に入った柄の扇子が見つかった後、どの様なスペックかを理解するための解説をしたいと思います。

 

扇子には骨の数を表す間という表記があります。

扇子は、骨の数でフォルムと形態に少し違いが出ます。

具体的には骨数が少ないと閉めた時のフォルムがスリムになります

 

骨数が多いと開いた時の開き角度が大きくなり、より多くの風を起こすことができます。

 

ここも意外と風の柔らかさやフォルムに差が出てくるので好みが分かれます。

因みに和装や芸事関係などで閉めた状態でも目に触れる事が多い場合、閉まっている時のフォルムがスリムな中骨の少ないデザインの物が好まれたりします。

 

スタンダードと短地

スタンダードな形は、一般的に馴染みのある扇面の大きい部分の物で面が大きいのでしっかりとした風量が確保できます。

短地は扇面よりも竹の骨部分の面積が多い絹扇由来のデザインです。

スタンダードよりも面が少なく竹の隙間があるので柔らかい風が期待できます。

 

オンラインで扇子を購入する際の注意点

 

店舗に買いに行くより圧倒的に沢山の種類の商品を比較できるので好みの柄の扇子に出会える可能性は高くなりますが、写真や文字の情報だけで判断しきれない使い心地や質感など体感の部分は問い合わせへの対応や返品や交換、修理対応が出来るかなどで納得感が変わってきます。

 

製造元が見える

 

そこでオススメできるのは製造も行っている専門店のショップを選ぶ事です。

専門店ではほとんどのお店で自社で制作もしているため、部分的な故障やちょっとした相談などにも対応してくれます。

長く付き合っていくと愛着と多少の痛みが出てくるものです。そんな時に要の不具合など制作している所では修理対応しているような故障でも、制作先と繋がりの薄い販売専門店では対応が出来ない場合も多いです。

 

扇子は製造工程が、産地やお店などで多少の違いがあったりしますのでその商品の製造元以外では対応出来ない場合も出てきます。輸入商品の場合は、不具合が起こった時点で諦めて次の商品に移る覚悟をしておくのが無難だと思います。

 

なので、気に入ったデザインの物が専門店の取り扱いではなかった場合は、制作元が分かる様な情報が入っていると安心かも知れません。

 

 

今回はオンラインで扇子を購入するにあたり、必要な知識となる、扇子の素材についてと写真で読み取りづらいサイズやデザインの違いによる使用感、長く付き合うための購入店の選び方を解説させて頂きました。

この記事に目を通して良い扇子と出会って頂けると幸いです。

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